甘々なボスに、とろけそうです。


「普段着で来てしまったことは、迂闊でした。でも、目的を果たせばすぐに帰りますので……」


「目的ねぇ。不純なものだったりして」


ニヤリと片方の口角をあげて意地悪に笑う男。


「あっ……あなたには関係のないことです」


――生意気なことを言ってしまった。


言った傍から後悔。男が、またまた凝視してくる。

(怒った……?)


――ガタンッ


(!?)


突然のことで、瞬時に理解できない。

だけど……えっと、私、エレベーターの壁に……


押さえつけられているよね?


(こ、これは……いわゆる、〝壁ドン〟!?)


「なに……するんですか……っ、」

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