甘々なボスに、とろけそうです。
「やめてよね、子供と年変わらないのに」
(!?)
サナエさんと呼ばれている女性は、そんなに大きな子供がいるようにはとても見えない。美しすぎるママさんである。
やめてよね、と言いつつ……嬉しそうに照れ笑いしている。
「ボスに呼ばれてるんだ。またあとでね」
「あら、それは大変。じゃーね」
サナエさんがニコッと私にも笑いかけてくれたので、慌てて会釈する。
金髪くんことウィルくん。どうやら彼は、天性の年上キラーのようだが。
(社員証……って、まさか……)
ここの社員なの? いやでも、まだ、15だし……まさかね。
ようやく壁――向こう側の見えない白い壁にたどり着き、扉が3つある。
「こっちに、兄がいるんですか……?」
「さぁ。どうかなー」
(……!?)
「え、あの、兄に会わせてくれるんですよね?」
「ミーコ、ヒロキに会いたいの?」
(!!?)
待って。ウィルくん、『案内してあげる』って私に言ったよね?
それって……、どこに?