甘々なボスに、とろけそうです。


「……へっ?」


「俺個人としては、飾らないミコが、とても愛しい。抱きしめていたい。だが、これは……仕事をする格好ではないな」


――あの、ボス。

さっきからスルーしようとして、できそうにないのですが。

私の隣がボス専用とか。

……惚れ直したとか、愛しいとか。

まるで、ボスに愛されているのかと自惚れてしまいそうな、甘い言葉をかけてくれますが……

それは、ボス流のジョークなのでしょうか。

鵜呑みにしちゃ、ダメですよね……?


「そうは思わないか」


「えっ、あ……そうですね……ここで働かせていただく以上、きちんとした身なりでないと、いけないと思います!」


着替えに帰ればいいかな。ここで働けるような服なんて持っていたかな。

入学式で着た、スーツならまだマシだろうか。でも、大学の寮まで取りに帰れば日が暮れるよね。

急いでどこかで買ってくるべき?


「そんな不安そうな顔するな。俺に任せろ」


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