甘々なボスに、とろけそうです。
「あのね、ここ〝B.C.square TOKYO〟には、隠しフロアがあるの。それが、52階。そこへ降りられる専用エレベーターの場所は、限られた人しか知らない」
なんてミステリアスなの!?
「その52階には、次期総帥や大金持ちでも住んでいるんじゃないかって噂よ」
「そ、そんな噂があるんですか……! 田中さんでも知らないのかな……」
「田中さん?」
「あっ、えっと、管理人の……」
「あぁ、田中さんね。これもあくまで噂の1つなんだけど、〝田中さんは52階の住人説〟があるわね」
(えぇぇえ!?)
「感じなかった? 管理人にして、VIPなオーラ」
ええ、感じましたとも。包容力ハンパなかったです。おじさまにドキドキしたのは生まれて初めてでした。
「行ってみたいよねぇ。入口、どこにあるのかしら。そうだ、まだ名乗っていなかったわね。私は里香子。よろしくね」