甘々なボスに、とろけそうです。


「こちらこそ、よろしくお願いします……!」


髪を耳にかける里香子さんの、左手の薬指にキラリと指輪が光る。


「その髪、いつ切ったの?」


「えっ……3ヶ月、いや、4ヶ月前だったかもしれません」


「整えましょう」


整えましょって……言われましても……


「今から、ですか?」


「ええ」


ほんとにぃ!?

え、あの、ここのフロアのヘアサロンで……!?

きっと、ものすごく高いよね。セレブ御用達だもん。絶対所持金では足りない自信がある。


「ひょっとして、お金のこと気にしてる?」


「あっ……はい」


顔に出ちゃっていたのかな、私。


「それなら心配ないわ。身一つでOK」


(Why!?)


……某芸人ばりに、驚いてしまった。


「これから未衣子ちゃんには、このビルで人気No.1の美容師さんに髪をカットしてもらったり、一流エステティシャンに身体の隅々まで磨いてもらったり、してもらうから。で、そのあとは、これに着替えてね」


!?!?

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