甘々なボスに、とろけそうです。


渡された紙袋をのぞき込む。


(服……?)


「あなたへのプレゼントよ。入社祝いだって」


えぇ!?

入社って、私、1ヶ月のアルバイトですよ?


「いただけません! あの、お金払いますから」


「いいのいいの。払える額じゃないと思うし」


そんなことを、けろっとにこやかに言う里香子さん。


「……!? 余計に受け取れません! っていうか……会社からの贈り物なんですか?」


前代未聞だ。制服支給って制度なら知っているが、これ、私服だよね。


「もしかして……ここで働くには、女子力をこのフロアで高めて、高い衣服に包まれていなければならないのですか?」


ハードルが……高すぎる……!


「それは違うわ、未衣子ちゃん」


……??


「全部、兄さんからの個人的なプレゼントよ。その服も、このフロアでのサービスも」


「兄さん……?」


「兄さんったら、何も言ってないのね。私は鉄(くろがね)里香子。あなたの言う……ボスの、妹よ」

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