甘々なボスに、とろけそうです。



――コンコン


「ウィルくん、入るわよ」


ガチャッ


サナエさんに続いて、中に入ると――


(なに……これぇ!?)


壁一面のポスター。プラモデルやフィギュア、ゲーム機、ソフトなどが、あちらこちらに散乱している。

おまけにお菓子の袋やプリント類で埋め尽くされ、足の踏み場がない床。


「もう、片付けなさいよ……って、聞こえてないわね」


ウィルくんは、カーテンの閉められた薄暗い部屋の隅にあるデスクで、パソコンに向かってなにかを打ち込み続けている。

ものすごい速さで、キーボードを叩いている。耳には、ヘッドフォン。


「集中してるから、話し掛けない方が良いわ」


「わ、私はなにを手伝えば……」


「とりあえず、ここを整理整頓してもらえると、とっても助かるんだけど」


(!?)


「私も一緒に……といいたいところだけど、ちょっと手が離せなくて。お願いできるかしら?」


「わかりました!」


片付けなら、私にもできる。ただ、初仕事が、部屋の掃除になるなどとは……思いもしなかったけれども。

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