甘々なボスに、とろけそうです。
向こう側のお洒落なオフィスと、この、ごちゃごちゃした部屋が1枚の扉で繋がっているなんて、驚きだ。
さてと。なにから片付ければいいんだか。ウィルくんは横を向いていて、私のことにはまるで気づかない様子。
埃がまっているわけでも、食べかすなどのゴミが落ちているわけでもなく。清潔感皆無……とまではいかないが。
なにせものが多すぎて、足の踏み場を作るところから始めなければならない。まるで、散らかった子供部屋だ。
1枚プリントを拾い上げてみると――全て英語なので詳しい内容はわからないが、明らかに仕事関係のもののようだから、まとまめておこう。
そして、漫画……? わぁ、どれも好きなやつだ!
これは、諦めたらそこで試合が終わっちゃうバスケ漫画。こっちは、高校生なのに身体が縮んで探偵になるやつ。
後者は推理シーンでは会話文がとにかく長いことで有名だが、ウィルくんって、こんなのも読めちゃうんだ。
「ミーコの、エッチ」
「へっ!??」
背後にウィルくんがいた。
「勝手に入ってきて、なにしてるの?」