甘々なボスに、とろけそうです。
「……か、勝手じゃないです! ノックしたけど、ウィルくん気づかなくて」
「そっか。ボク、一段落つくまで仕事以外のことシャットアウトしたいタイプだから」
改めて間近に見ると、凄まじく美少年だ。お父さんもお母さんも……さぞ美形なんだろうなぁ。
って、そんなことを考えている場合ではなくて。
「一段落、ついたんですか?」
「まーね。なんか、ミーコ……可愛くなったね」
「ど、どうも」
「メイクしてるじゃん。髪も服もさっきと違う」
そっ……そんなに凝視されると反応に困るのですが。
「あ。ボスからメールきてる。『しばらくミコのこと好きに使っていい』」
ウィルくんが携帯を操作しながら、そんなことを言う。
「『ただし、指一本触れるな』……だって」
(……はい?)
「女の子と2人きりでいるのに、触れるな……なんて拷問だよねぇ」
そこ!?
ここは、指一本……ってところにツッコむところでは!?
「内緒で、手を出しちゃおうかな」
「へっ……?」
「カリギュラ効果」
「なっ、なんですかそれ」
「ダメって言われると、逆にやりたくなっちゃうアレ」
ウィルくんの顔が、近づいてくる。