甘々なボスに、とろけそうです。


「ビル。次やったら、許さ――」


「あ、あの! 違うんです……!!」


私は、ボスとウィルくんの間に入る。


「私が、落ちているものに躓いて、転んで。そこをウィルくんが庇ってくれて……そのまま、倒れ込んでしまって」


「…………」


「だから、わざとじゃないんです」


目を見開いて、私を見るウィルくん。静かに私を見つめるボス。


「……そうか。ミコ、今夜は一緒に食事をとろう」


(えっ……!?)


「上のレストランを予約してある。裕樹と里香子も呼んでいるから、来いよ」


「は、はい。わかりました! あ、あの、ボス」


出て行こうとするボスを、呼び止める。


「……ありがとうございました。服とか、髪とか」


「あぁ。よく似合ってるな。……気に入ったか?」


ボスが、にこやかな表情になる。


「もちろんです……!」


「そうか。なら、良かった。明日から着る分も用意してあるから、心配しなくていい」


「へっ……明日からの分も、ですか?」


「うちにあるから、好きなものを選べ」


「うちに……??」


「それじゃ、あとでな」


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