甘々なボスに、とろけそうです。
だったら、室井さんにアドバイスをもらおうか?
「ウィルくんと、仲直り……したいんですけど……」
「要求にこたえればいいのでは?」
(……はい?)
「冗談……ですよね?」
「いいえ。減るものではないでしょう」
ウィルくんのワガママを……一方的な要求を呑めというの? それも、その、やらしいことしろって……室井さん、そう言いたいの?
信じられない……!
「ウィルの機嫌をとるためなら、社長はなにも口出ししないでしょうし」
「そんなはずは……ないです」
だってボスは、ウィルくんに、私に指一本触れるなってメールしていたくらいだから。そんなやり方で、ウィルくんのサポートしろなんて思っているわけがないよ。
サナエさんだって、そうだよ。なのに室井さん、どういうつもりでそんなこと……!?
「ほう……よほどあなたは、社長から、愛されている自信があるのですね」
「そ、そんなんじゃないですけど……」
「あなた、今は気まぐれで興味を持たれているだけですから」
(!!)
「あんまり浮かれていると、平凡な暮らしに戻れなくなりますよ。身の程をわきまえて下さい」
「え、ちょっ……」
「お帰り下さい。さぁ」
「え……」
「ここにあなたの居場所は、ないです」