俺様王子と失恋仔猫ちゃん
神崎先輩と付き合ってから1週間が経ちました
あの学校の王子様に彼女ができたという噂は一瞬にして広まり
神崎先輩を狙っていた女子の中には泣いている子も…
3年生の女子の先輩に眼をつけられそうで怯える毎日です
神崎先輩の彼女は誰だと気になって
わざわざ私のクラスに私の顔を見に来る人もいました
幸せなんだけど大変…
「うぅ…」
と昼休みに教室で頭を抱えて悩んでいると隣から笑い声が
「ははっ!お前バカだろ、悩むくらいなら別れちまえよ」
そう言って私に意地悪してくるのは私のだいっきらいな人
桐生翔吾(kiryuu syougo)です
意地悪だしわがままだし俺様ってカンジ!
私に無駄にちょっかいだしてくるし…
「莉緒ー?どーしたの?だいじょぶ?
後ろから優しい声が聞こえて振り向く
優しい声の正体は遠藤咲(endou saki)
中学生の頃からの私の親友
それと翔吾の友達の清水大輔(simizu daisuke)君の彼女
咲は苦笑いしながら
「モテる彼氏がいる人は大変だねぇ」
と言ってきた
そんな咲の彼氏の大輔君もかなりモテますけどね
大輔君はこの話が聞こえていたらしくて
「おい咲!それって俺がモテないって言ってるように聞こえんだけど!」
と焦ったように言ってきた
それに対して咲は
「え?そうゆう意味で言ったんですけど」
と返す
「ひでーなおい!」
……とにかくかなりラブラブな様子です
翔吾は私の顔をみると
「お前さ、別れちまえよ」
と言ってきた
「いきなりなんなのー!別れるわけないじゃん!先輩のこと大好きだし!」
と私が言うと翔吾は一瞬不機嫌そうな顔をしてから私の顔も見ずに
「あっそ」
とだけ返してきた
なんなのコイツ…
キーンコーンカーンコーンと授業開始の鐘がなる
今日は国語の授業だった
昼休み後の国語ほど眠いものはない…
眠くなりながら授業を頑張って受けている私に対して
隣の翔吾はお昼寝タイム
翔吾のムカつくとこはここだ
授業をろくに聞かないで遊んだりばっかしてるくせに無駄に頭がいい
見た目もチャラいのに
私よりも頭がいい
毎回テストが返ってくるたびに私の点数をみて笑う
そんなことを思いだしながら窓際の席の私は外を見る
校庭で3年生が体育の授業をやっていた
しかも神崎先輩のクラス!
リレーをやっているっぽい
アンカーにいるのは神崎先輩
バトンを受け取り走り出す
この世の中にあれほどかっこいい人がいるだろうか
爽やかすぎる…かっこいいなぁ
神崎先輩を見つめていたらあっとゆーまに国語は終わった