俺様王子と失恋仔猫ちゃん




そして放課後

サッカー部のやっているグラウンドへと向かった

神崎先輩はもう部活の準備を始めていた

先輩は私に気づいて話しかけてきた

「おっ!莉緒早いなー」

「はい!今度の試合のための準備とかあるんで!」

「そっか、おつかれさま……あとさ、」

「はい?」

「今日…一緒に帰ろうよ。家まで送る」

「はい!分かりました」

すごく嬉しい

やっぱ先輩と付き合って良かった

今日一緒に帰れる~

幸せが隠しきれなくてニヤニヤしてる私は

サッカー部の選手たちのユニフォームをとりに体育館へと向かった

ガラッと開けるとボールの音が聞こえる

音の方を向くと翔吾がいた

そーいえば翔吾はバスケ部だったなぁ

なんか上手いって聞いたことあるなー

翔吾は私がいることに気づいていない

真剣な瞳でバスケをしてる翔吾は少しかっこよく見えた

少し、ね



ユニフォームを急いで取りに行き体育館を出ていった





それから部活が終わり、帰る時間になった

神崎先輩が来て

「じゃあいこっか」

と優しく笑いながら言ってきた

笑顔…素敵だな…



帰り道、先輩は私の手を優しく握ってくれていた

部活の話やテストの話、とにかくたくさん話した

楽しくて幸せすぎてすぐに家に着いてしまった

いつもは長い帰り道が今日は短く感じられた

家の前で

「先輩、今日は送ってくれてありがとうございました」

と笑って礼を言うと先輩は

「おう」

と返事をくれた



回りはとても静かで2人だけの世界って感じだった


すると側で歩く音が聞こえた


翔吾だった

方向的に翔吾とは同じほうなので会うのもしょうがない

翔吾は私に気づいたがしばらく私の顔を見たあとに

先輩に気づき下を見ながら歩きだした

すると先輩は近くに翔吾がいるのにもかかわらず

「莉緒、好きだよ」

と言ってキスをしてきた

いきなりのことだったためドキドキする暇もなかった

しばらくして現実だと分かった瞬間にドキドキして

顔が真っ赤になってしまった

「じゃあね、莉緒。また明日」

私は嬉しすぎて声が出なかった

コクンとだけ頷いた

幸せを実感した生暖かい春の風が吹く日だった





下を向いたまま歩いていた翔吾が悲しそうな顔を


していたことに気づかずに



私は先輩に夢中になっていた








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