太陽の笑顔
1人で思い出してた。

5年前の楽しかった日々を。

祐次の笑顔が
あまりにも輝きすぎて、
近寄れなかったあの日や

祐次に初めて声を
かけてもらった日、

告白された日…

思い出したらキリがないほど

鮮明にあの頃の記憶が
よみがえってきたの。



『梨華?』


後ろから愛しい人の声がした。


『逃げんなよ。』


『逃げてなんかないよ。』


『嘘が下手なのはかわらんのんだね。』


そう言って、
笑う祐次の顔は
何一つあの頃と
変わっていなかった。


『可愛くなったな。梨華』


『そ…んな事…』


『ずっと会いたかったよ。』


『えっ?』


『ずっとずっと…
梨華の事だけ想ってた。』


『嘘はいいから。』


『嘘じゃないよ。
梨華と別れたあと、
岡山に行って、3年間
一生懸命勉強して、
卒業してすぐこっちに
帰ってきてたんだ。
偶然でもいいから
梨華に会いたかった。』


『…あたしも会いたかった。』


『梨華?』


『ん?』


『また付き合わない?』


『えっ?』


『俺とじゃ無理?』


『そんな事…』


『考えといてよ。
焦ってないから。』


『でも…』


『また電話でもして』


そういうと携帯を出して
アドレスと電話番号が
あたしの携帯に記憶される。

もう二度と入らないと思ってた。

祐次という文字。


また会う日までに
あたしの気持ちを
しっかり決めておかなきゃ。
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