太陽の笑顔
放課後、
あたしは祐次との
約束を守るために、

校門に向かったの。


『祐次ー!ごめん!』

あたしが着いた時には、
祐次はもうそこにいた。


『おせーょ!』


『先生に捕まったの。』


『またかよ。
まー行こっか。』


『どこへ?』


『梨華に見せたいものがあるんだょね』


ちょっとはにかんで笑う
祐次がなんだか可愛かった。


『見せたいもの?』


『まー着くまで内緒ー。』


『ふーん。』



どれだけ歩いたんだろう。


『梨華?』


『ん?』


『ちょっと目つむって?』


『なんで?』


『まーいいじゃん。』


『んー。分かったよ。』


目をつむって、
祐次の声を傾ける。


『梨華ー足元気を付けろよ。』


『あーうん。』


かなり歩いた気がする。


『着いた!』


『目開けていい?』


『いいよー』


静かに目を開けた。


『……』


声が出なかった。

きれいすぎて。

辺り一面に広がる
景色がきれいすぎて。

でも、

『どう?』


って、得意気に
祐次が言うもんだから、



『なんで笑うん?』


『いや、可愛いなーって。』


『何が?』


ちょっと祐次が拗ねたから、


『きれいだね。』


って、話をそらしたんだ。

ただの照れ隠し。


祐次は相変わらず、
拗ねて向こうを向いてた。


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