太陽の笑顔
『祐次?』


『……』


『連れてきてくれて
ありがとう。』


『あー。』


『いい景色だね。』


『俺の一番好きな場所。』


『そーなんだ。』


『うん。』


『あたしの好きな場所に
してもいいかな?』


『うん。』


『やった。』



『梨華?』


『ん?』


『俺さ、』


『うん。』


『梨華が好きだわ。』


『えっ?』


頭がついていかない。

祐次は何を言ってるの?


『って、困るよな!』


無理して笑う祐次が
今まで以上に愛しく感じた。



『祐次?』


『あたしも好きだよ。』


『えっ?』


『祐次を初めて見た瞬間、
あたしは祐次を好きになったの。』


『うん。』


『一目惚れだった。』


『梨華?』


『ん?』


『彼女になってよ。』


『あたしでよかったら。』


『梨華がいいんだよ。』


『嬉しい。』


自然と溢れる
涙を止められなかった。


『梨華ぁー泣くなよ。』


『嬉しいんだもん。』


ふわって包まれたと同時に
祐次の胸が顔の前にあった。

あたし抱き締められてる?


『幸せにするから。』


『うん。』


『俺、幸せー』



この日を境に
あたしらは
恋人同士になったの。


次の日、
直子に報告すると、

『ようやく告ったか。』


『あはは。』


『幸せになりなよ。』


直子はそう言って、
あたしの頭を撫でてくれた。



あたしは、
幸せ者だと
心から思えたの。
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