私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
「じゃあ、オススメのこれにしようかな」
新商品のマンゴークリームフラペチーノを指さして、吉伸は言った。
「ありがとうございます」
「あずにゃん何時ごろ帰ってくる?」
「私ですか?もうそろそろ帰ろうかと思うのですが」
唐突に尋ねられて、首を傾げる。
「なるほどね。じゃあ撮影はあずにゃん帰ってからにしようかな」
「撮影ですか?」
「うん。帰宅の音とか入ると編集大変になるからさ」
「なるほど」
「うん」
「それだったら、私帰りがけに持って行きましょうか?」
「いやいや、それだったら一緒に帰ろうよ」
女の子にパシリみたいなこと、出来ないしさ。と笑いながら吉伸は言った。
笑うとたれ目が細くなって可愛らしい笑顔になる。
「すぐ帰る準備しますね」
看板を持ち上げて裏に下がろうとすると「手伝おうか?」と吉伸が言った。
「いや、大丈夫ですよ」
笑いながら答えると「じゃあ、座って待ってるよ」と空いている席を指さす。
有名人だからもっと高飛車なのかと思っていたが、あまり気取っていなくて人間として吉伸が好きになれそうだとあずさは思った。