私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
暗い部屋の中で女を抱く。
どいつもこいつも言いなりでつまらない女ばかりだ。
うるさい喘ぎ声を枕で押し付けると、耳に届く金切り声は小さくなった。
「ああ、こうの……すけ…さん」
「お前はもう用済みだよ」
事が終了すると、笑顔で伝える。
「……」
ショックを受けたような顔を浮かべているのは、演技なのだろうか。
こうすれば、嘘だよと抱きしめてもらえるとでも思っているのだろうか。
非常に浅はかで中身のない脳みそを持っている女だ。
「早く出て行けよ」
足で蹴とばして、裸のまま外に追い出す。
洋服も一緒に放り投げてやったから、服を着て家に帰ることは出来るだろう。
外からすすり泣く声が聞こえてきた。
これ見よがしに、あさましい女だ。
退屈だ。
つまらない。
毎日が。
光之助は深く溜息をついて、スマートフォンを手に取った。
目的の番号を押す。
電話はスリーコールで繋がった。
「ああ、お前か。暇だ。今すぐに来い」
「わかりました」とだけ伝えられて、電話が終了する。
なんだ。来るのか。
つまらない女だ。
何か暇つぶしになりそうなことはないか。
深く溜息をつく。
気に食わない。
全てが。
ガラスに映った自分の顔を見ると、嫌でも自分の弟のことを思い出す。
あいつさえいなければ、俺がこの世の全てを手に入れていたはずなのに。
それなのに、愚かな弟は俺を出し抜きやがった。
従順な弟のふりをして。
「殺す。だが、あいつをただ殺すのは面白くもなんともない。まずは大事なものからジワジワと追い詰める」
それが、松平 光之助のやり方だ。