私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
今日は久々の休みだった。
この家に来てから、一週間。
何だかんだで滞在してしまっている自分がいる。
毎日、ご飯の支度をするのもあずさの日常になりつつあった。
ただ、買い物をするのは光之助が何かを仕掛けてくる可能性があるため、極力誰かと一緒に行くようにしているが。
「過保護すぎやしませんか?」
少しは一人で外に出る時間も欲しいという意味を込めて、あずさは源之助に訴える。
好意を持ってくれているとはいえ、付き合っているわけではない。
それにも関わらず、こんなに至れり尽くせりの状態が続くとだんだん申し訳ないという気持ちの方が大きくなってきた。
「んー?そんなことはないよ。あずにゃん」
「……だから、あずにゃんって呼ばないでくださいって」
「あずにゃん可愛いからいいじゃないか。それに変わったあだ名で呼びあった方が、カップルとして長続きするらしいよ」
「いや、付き合ってないし!」
「もう、強情だな。あずにゃんは。俺のことはGenでいいんだよ」
「わかりました。源之助さん」
「つれないなあ。裸で一緒のベッドで抱き合った仲だっていうのに」
そこまで言われて、あずさは持っていた荷物をバシッと彼の背中に殴りつけた。
「外で勘違いされるようなこと言わないでください!」
「事実じゃないか」
「脱いでたのは、源之助さんだけでしょ」
「お、認めるんだ。抱き合ったことは」
「……喧嘩売ってますか?」
「怒った顔も可愛いなあ」
ニコニコしながら、何故だか源之助は嬉しそうだ。
「そういえば、今晩は何が食べたいんですか?」
献立を考えながらあずさは話題を変える。
「あずにゃんが食べたい」
「……もう、帰ってください」
冷たい視線を送りながら、あずさは源之助に向かって言葉を吐き捨てた。
今夜はハンバーグにでもしようかな。
みんな疲れ気味だから、和風にしておろし大根もつけてあげよう。
となるとキノコや大葉も欲しくなってくるなあ。