私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
「ですが、ご理解いただくのとあなたの気持ちを諦めさせることは別だと考えておりますの」
溜息をつきながら麗華は首を横に振る。
一体どういうことなのだ。
「今から、パーティーがあるのですけど、そこで宣言してくださらない?」
「は?」
「あなたが、源之助さんの家政婦をやっているだけであの家に滞在していることは何の意味もないということを」
「別にいいですけど……」
本当に付き合っていたわけではない。
それを証明するだけだ。
婚約者がこんなに不安に思っているのに、源之助は何をやっているのだろうか。
「本当ですの?」
少しばかり驚いたような様子で麗華は言った。
こんなに話が早く通るとは思っていたなかったのだろう。
「だって、本当に付き合ってないですから」
不動産を捜しに行こうとしていたのだ。
「……そう」
納得したかしていないかわからないが、麗華は縄をほどいてくれた。
ようやく自由になった手足を伸ばして、伸びをする。
「パーティーで言えば良いんですよね?」
「ええ」
ではそのパーティーとやらに参加すればいいのか。
「洋服とかはこのままでも?」
「カジュアルなパーティーですもの。そのままでもよろしくてよ」
ニッコリと笑って言う麗華。
庶民に金持ちのカジュアルなパーティーがどれくらいのものなのかはわからないが、源之助と付き合っていないと公言できるくらいなのだ。
イメージとしては、小学校の頃開かれていたお誕生日会のようなものだろうとたかを括ってあずさは麗華と共にその場所を後にした。