私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
待機していてくださいと言われた場所は、B.C. square TOKYO hotelにあるスイートルーム。
暇なので部屋の料金表が記載されているタブレットで遊んでいたら、この部屋は一泊200万円もするらしい。
「……アメニティ持って帰ってもいいかな」
貧乏性が出てしまう。
あずさはそーっとバスルームへ行きアメニティを確認する。
有名ブランドのアメニティがそこには神々しく輝ていた。
これでしばらく化粧水とかそういう系のもの買わなくて済むかも。
一泊200万もするこの広い高級な場所で、貧乏くさいをことを考えているあずさ。
鏡に映った自分の姿を見て、溜息をついた。
圭に着せてもらったドレスは自分の身体にはピッタリだが、谷間が見えてしまうような大胆なデザインであり、ミニスカートに8センチヒール。
メイクまでばっちり施されているので、まるで別人になってしまったようだ。
普段の彼女のファッションとはあまりにもかけ離れている。
「……待機していてくださいって言われてもなぁ」
パーティーがスタートしてもう30分も経っている。
何時に終了するのかは知らないが、ここまで放置されるのであれば出て行っても気づかれないのではないか。
ちなみにこの一つ上の階が自分の住んでいるスペースだ。
「帰っていいかな」
アメニティを自分の鞄の中に入れた後、彼女は部屋を出ようとする。
「おっと、どちらへ?」
扉を開けた瞬間、そこに立っていたのは光之助だった。
「……!」
「まるで別人だね。驚いたよ」
ニッコリと笑って言う光之助。
愛想はいいが、まるで獲物を追い詰める蛇のような彼の様子に後ずさりしてしまう。
「パーティーに参加しようとして変身して待機していたのかい?」
「……」
「返事がないようだが」
顎を掴まれて、腰を抱かれる。
抵抗しようにも、あまりにも力が強すぎて抵抗することが出来ない。
「いや……放してください」
「そんな男を誘うような恰好で拒絶をしても、説得力がまるでないよ。いもくさい女だとは思っていたが、なかなかやるじゃないか」
「……」
「そんなに源之助のところに行きたいのなら連れて行ってやろう」
「……」
「おいで」
腰に手を当てられて、光之助はあずさを連れて行く。
有無を言わせないかと言うように、彼の手はまるで女性を扱うというには強すぎる強さで彼女のことを引っ張って行った。