私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
えーっと。
なんだ。
どう説明すればいいのだろう。
日下部 あずさは燃え盛る自分の家を眺めながら、呆然と考えていた。
通帳、預金を下ろすために持ち歩いていた。
印鑑、家だ。燃えた。
保険証、ああ持って歩いている。
へそくり、完全に燃えたな。
命あればいいと思うかもしれないけれど、全てを失うという経験をこの便利な世の中ですることになるとは夢にも思っていなかった。
泣き喚かないだけ、自分は冷静なんだと思う。
両親が海外に住んでいるので、頼れる人がいない。
今夜はとりあえずネットカフェに泊まろうなどと自分の貯蓄金額からお財布事情を頭の中で計算してしまう辺り非常に辛いところだ。
一言人に説明するとなると非常にシンプルだ。
家が火事で燃えた。