私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
「あずにゃん」
「ちょ……もうや……」
「あずにゃん」
「げ……げんのすけ……さん。い、いやぁっ」
「あずにゃーん!!!」
「そろそろやめろバカップル!仕事が集中出来ないんだよ!イチャイチャイチャイチャしやがって!部屋行ってやれ!」
享がリビングルームでウンザリしたような表情を浮かべている。
「イチャイチャなんかしていませんよ!ゲームしていただけです!食後のプリンを賭けて!」
「え、俺たちイチャイチャしているように見えた?」
否定するあずさと喜ぶ源之助。
「本当に事の重大さ分かってんのか!?」
深い溜息をついて、享は源之助に詰め寄った。
「うん。分かってるよ」
ニッコリと笑って源之助は頷く。
「新聞にも大きく載ったんだぞ!お前がこの女と別所財閥の令嬢と二股かけてることが!」
「ああ、大丈夫。別所財閥の方断るから。俺はあずにゃんだけだよ」
「気持ち悪いですよ。源之助さん」
笑顔であずさに罵られ「テレちゃって」と嬉しそうに笑う源之助。
「お前!相手にされてないの気づけ!」
「気づくも何も、今お試し期間だから。付き合ってるみたいなもんだから。ね、あずにゃん」
「気持ち悪いですよね。源之助さん」
近づいて来ようとする源之助をこれでもかと拒絶しながら、勝手に賭けていたプリンを食べるあずさ。
「ああ!あずにゃん!プリンが!」
「え?なんですか?」
「ううん。あずにゃん食べていいんだよ。可愛いなぁ」
「……」
そんな二人の様子を見て、深い溜息を再びつく。
あの夜、源之助が会場であずさにキスをしたことにより会場は大騒ぎ。
別所財閥のご令嬢、麗華はご乱心だし、光之助は顔を真っ青にして後ずさり。
パパラッチからは写真を撮られる始末で、次の日の週刊誌にはあることないことたくさん書かれていた。
せっかくの就任式だったのにも関わらずハチャメチャである。
「ところで、なんでこんなに享さんが源之助さんの心配を?」
疑問に思ったことを素直に告げると享は「もう知らん!」と部屋を後にしてしまった。