私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
「手がかりもなしかのお……」
八之助が不満気な表情を浮かべながら言う。
「申し訳ございません。最善を尽くしているのですが」と警視庁捜査一課、霜月歳秋(しもつき としあき)が頭を下げる。
流石に財閥の人脈だけでは捜査が難航しているため、警察の手を借りることになった。
最悪の事態を想定すると、まだ終わりではない可能性もあるからだ。
「早く見つけんと、隠居もおちおちしてられんわ」
「霜月さん!」
内川秀樹(うちかわひでき)という名前の刑事が慌てて、部屋に駆け込んでくる。
「ばっか!おま!ノックくらいしろ!」
「あ、すみません。コンコン。これでいいですか?」
「お前、このビルから一回飛び降りて来い。命綱つけず飛び降りて来い。そして二度と戻ってくるな」
「ええ、何でですか!?ひどいですよ!霜月さん!」
縋りつくという表現がこれほど似合う男もいないだろう。
源之助は何故だか、自分とあずさの関係を思い出していた。
「ふざけている場合じゃないですよ。霜月さん!大変です!」