私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
「先日、某研究所から盗まれた化学薬品と同じ反応がB.C. square研究所からも検出されたそうです」
会議室中が騒めく。
一体どういうことだ。
では、一連の事件は繋がっていたということなのか。
ざわざわと落ち着きのない雰囲気に八之助が「聞こえんわ!黙らんか!」と喝を入れる。
一気に空気が静かになった。
「内川続けろ。お前が爺さんの喝で黙ってどうする」
「霜月さんも結構空気読めないですよね。日本の財界のドンに爺さんって」
「……続けろ、バカ川」
「ただですね。B.C. square研究所から検出された薬品は、盗まれた量の約30%しか使用されていなかった模様」
「……まじかよ」
小さな声で享が呟く。
「刑事さん、犯人は?」
静かな声で、源之助は尋ねた。
早くこの事件を終わらせないといけない。
何かあってからでは遅いのだ。
源之助の期待もむなしく、内川は首を横に振った。
「本当に申し訳ないけど、犯人は特定できていないんだ。データから何からすべて壊されていたんで。奴らはプロだよ」
「……そうですか」
「また狙われる可能性は?」
今度は光二が尋ねた。
「十分にあるとしか言えない。ですが、なぜ研究所が狙われたんだかわかりますか?」
内川の質問に「新薬の開発をしていたからだろ」と光之助が口をはさんだ。
「新薬?」
「うちの次の目玉商品になるはずだったんだよ。薬、エネルギー系は儲かるからね」
光之助の言葉に、内川は納得したようにうなずいた。