私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜


「先日、某研究所から盗まれた化学薬品と同じ反応がB.C. square研究所からも検出されたそうです」


会議室中が騒めく。


一体どういうことだ。


では、一連の事件は繋がっていたということなのか。


ざわざわと落ち着きのない雰囲気に八之助が「聞こえんわ!黙らんか!」と喝を入れる。


一気に空気が静かになった。


「内川続けろ。お前が爺さんの喝で黙ってどうする」


「霜月さんも結構空気読めないですよね。日本の財界のドンに爺さんって」


「……続けろ、バカ川」


「ただですね。B.C. square研究所から検出された薬品は、盗まれた量の約30%しか使用されていなかった模様」


「……まじかよ」


小さな声で享が呟く。


「刑事さん、犯人は?」


静かな声で、源之助は尋ねた。


早くこの事件を終わらせないといけない。


何かあってからでは遅いのだ。


源之助の期待もむなしく、内川は首を横に振った。


「本当に申し訳ないけど、犯人は特定できていないんだ。データから何からすべて壊されていたんで。奴らはプロだよ」


「……そうですか」


「また狙われる可能性は?」


今度は光二が尋ねた。


「十分にあるとしか言えない。ですが、なぜ研究所が狙われたんだかわかりますか?」


内川の質問に「新薬の開発をしていたからだろ」と光之助が口をはさんだ。


「新薬?」


「うちの次の目玉商品になるはずだったんだよ。薬、エネルギー系は儲かるからね」


光之助の言葉に、内川は納得したようにうなずいた。

< 68 / 94 >

この作品をシェア

pagetop