私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜



ドーン


と大きな音がした。


だが、ビルの中には変わらず平穏な音楽が流れている。


ビルの中にいる人々は、不可思議に思いながらも仕事を続けたりカフェでおしゃべりを続ける。


その数分後、一人の男が「火事が起きてるぞ!」と走り回ったことで、ビル中が大パニックに陥った。


「どういうこと?サイレンも放送も流れていないじゃない!」


「でも、下の階から煙が出てるんだ!ひどい量の煙だ!」


「いや!なんなのこのビル!」


混沌。


そんな言葉がそこには似合っているだろう。


遠く離れた場所で映像を眺めながら、光之助は笑っていた。


どんどん苦しめばいい。


そして全てが源之助の責任になればいいのだ。


管理不届き。


そう財閥と共に破滅を迎えればいい。


ああ、酒がうまい。


生まれ来た中で今日が一番楽しい日だ。


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