私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
下の方で地鳴りがした。
ということは、ここは上の方の階ということだ。
先ほど11階から41階までを火事にすると圭が言っていた。
ということは、ここは41階よりも上の階ということなのだ。
どうにか逃げられないものか、考えているとピピと音が早くなる。
手も後ろに括られているので、どうすることもできない。
どうにか視界だけでも出来れば、他に情報が。
残り時間さえ分かれば。
そこまで考えて、あずさは身体を横に倒してみる。
どうせ死ぬかもしれないのだ。
イチかバチかだ。
爆弾らしきものが身体の下にあたった。
変わらず規則正しい音が聞こえる。
爆弾を横にしたら爆発するような仕組みになっていなかったことで、命は免れた。
強運だ。
「……」
静かに溜息をついて、あずさは床に自分の顔をこすりつけた。
きっとこの感覚ガムテープだ。
まつ毛と眉毛を失うことを覚悟して、あずさは必死にこする。
美容代はあとで請求してやるからな!
畜生。
命が絡むと人間言葉遣いも必然と悪くなるようで、今まで思ったこともないような悪態を心の中でつきながらあずさは必死に顔を床にこすりつけた。
右目だけだが、何とか瞼の上までずらすことが出来て部屋の中の様子を伺うことが出来た。
「え……」
視界に入ってきたのは、いつもの部屋だった。
源之助たちと一緒に暮らしていたリビングルームだ。
「どういうこと……」
訳が分からなかった。