私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
享と源之助はB.C. square TOKYOの裏口に回り、田中さんのいる場所へ駆け寄る。
光二は吉伸に連絡を取り、彼にTwitterや動画でこの火事のことと逃げるようにと流してほしいと連絡を取っていた。
「田中さん!」
「おお!源之助くん」
「地下の管理室のコンピューター貸してくれ!」
事情を説明すると、田中さんは喜んで貸してくれることになった。
「上の階、そんなことになってるなんて……」
メインシステムが壊されているので、管理室もそちらに集中していたようで火事に気が付いてはいなかった。
火は上に登っていく。
まだ時間はあるはずだ。
地下5階まではエスカレーターがある。
地下1階から4階までは駐車場となっており、まるでモーターショーのような高級車ばかりが並んでいる。
「急ぎましょう」
田中さんが急かし、2人は急いだ。
「一応、Wi‐fiだけは持ってきた。光二と連絡がつくように。こっちもジャックされたら非常に厄介だけどな」
享が眉を顰めて言う。
「享。お前なら大丈夫だろ。信じてるよ」
静かに源之助が言うと、享は頷いた。
怖くない訳がない。
享だって一人の人間だ。
何百人もの命がかかっている。
このデータ勝負。
買った方が今後のこの世界を担っていく役割になる。
ハッキングの犯罪者が、そういう美味しい役割をもらうのは有名な話だ。
絶対に負けられない。