私の家は52F!?〜イケメン達と秘密のシェアハウス〜
空が真っ暗になったにも関わらず、窓の下が赤く明るいのは本当に火事があったからなのだろうなとぼんやりとした頭で思った。
盗聴器を探して、大声で叫んで助けを請うてみようかと思ったが、すでにそれは回収されていらしく見つけることができなかった。
次のなす術もなく、本当に死ぬのだと、本気で思った瞬間、静かに死を待とうと思った。
人生楽しかった。
悪くない人生だった。
なんか最後の方は濃い毎日で、怒涛だったけど悪くなかったと思う。
いや、楽しかった。
「……ずにゃん」
あ、源之助の声が聞こえる。
末期症状だ。
さっき好きだと自覚したからだろうか。
いや、私は自覚したのか。
好きなのか、あの男の事。
どうなんろう。
まあ、いいや。
好きだと思う。
最後くらい素直に思ったっていいじゃないか。
「あずにゃん!」
「源之助さん……好きです」
「……あずにゃん」
あまりに近くで聞こえるので、瞳を開ける。
銀色の防火服に身を包んだ源之助がいた。
「……は?」
「は?ってひどいよあずにゃん!ってかなんでこんな格好なの?ってか俺のこと好きって……え、マジ?」
本当に源之助がそこにいる。
「……聞き間違いじゃないですか?」
ああ、意地を張るな私。
しかもこんな縛られた状態で。
「なんか、あずにゃんはどんな状態の時でもあずにゃんなんだね。逆に安心したよ」
源之助は優しく巻かれていた管を外してくれた。
ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。
電子音が鳴り続けている。
あずさの手首に吸盤みたいなものがつけられていて、それと爆弾が繋がっていた。
「……これは外さない方がいいやつ?ってかこれ」
「爆弾らしいですよ」
「ええ!何で?」
「圭さんが付けていったんです」
ガムテープを外しながら、涙を流す。
感動の涙ではなく、痛みのせいだ。
くそ、あのユニバースめ。
「なんであの人が?……まさか、光之助兄さんと」
「……らしいです」
答えながら、時間を確認する。
残り時間あと30分。
微妙だ。