男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
朝食が終わると、自室でのんびりしている暇はなく、すぐに剣術の授業が始まった。
場所は広い中庭だ。
噴水があって、手入れされた花と緑が美しく、レンガ敷きの広場のような丸く開けた場所があり、そこに私たちは整列した。
教師として現れたのは、青の衣を纏った体格のよい騎士団の青年で、ツンツンと立った短い茶色の髪と男らしい骨格のその顔に、見覚えがあった。
ボゾネ一味に囲まれたとき、私を守って戦ってくれた騎士のひとりだ。
「あっ」と声を上げると、彼は茶色の瞳を細めて私を見た。
「私はジェフロアと申します。ステファン様とお会いするのは二度目になりますね。授業でもどうぞよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。
それと、あのときは助けて下さってありがとうございました!」
強面の顔で笑顔を作ってくれた、いい人そうなジェフロアさん。
そんな彼の授業は最高に面白かった。
まずは広い中庭を十周走り、その後に腕立て伏せと腹筋背筋、三十回ずつを五セット。
それから木刀を持ち、振り下ろし、振り上げ、薙ぎ払い、突きなどの基本の型を教わり、それらの素振りを百回ずつ。