男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました

今まで自己流で剣を振るってきた私にとって、正しい型を教わる機会は貴重で、興味と好奇心は尽きることがない。


「ステファン様、それでは切れ味が鈍ります。グリップはこのように返して下さい」


「はい、こうですね! ブロードソードではなく、レイピアのときはどうすればいいんですか?」


なんて楽しい授業なんだろう。

夢中で木刀を振るう私の周囲では、「もう腕が上がりません」と弱音を吐いて、地面に膝をつくお坊ちゃんたち。

本物の男なのに、だらしないの……。


お坊ちゃんたちはレンガに寝そべって荒い呼吸を繰り返しているが、私はまだまだ平気だった。

最後はジェフロアさんが木刀を交えて、稽古をつけてくれる。


「お見事です。これほどに飲み込みの早い方に稽古をつけたのは初めてです」とお褒めの言葉を頂いたところで、六時課の、午餐の始まる鐘の音を聞き、本日の剣術の授業は終了となった。


重たい体を引きずって、ぞろぞろと中庭を出て行くお坊ちゃんたち。

私はその中に混ざらず、噴水の前でジェフロアさんを引き止め、話しかけた。

「ボゾネ一味は、今どうなっているんですか?」と、気になって。


「あまり詳しいことは申し上げられないのですが……」


そう前置きした上で、ジェフロアさんは教えてくれた。


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