何よりも大切なモノ
プロローグ
12月初旬。

年末年始の、何かとイベントの多い期間を数週間後に控えたこの時期、日本中の多くの学生は、冬休みとちょうど重なるその期間をいかに有意義に過ごすか、計画に余念がない。

中学三年生や高校三年生にとっては、受験勉強の追い込みにかからなければならなくなる時期でもあるのだが、十代の学生にとっては『それはそれ』。

当然、都会の学生だろうと田舎の学生だろうと、何も変わらない。

まったく同じである。

田舎街に建つここ、〇〇県立如月高等学校、三年A組の生徒達も例に漏れず、昼休みを利用して教室のあちこちで冬休みの予定を話し合っていた。
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