いつか、その日を青春と呼ぶのだろう
幕前
私は、一冊の本を開いた。
『本』と呼ぶよりはルーズリーフの束と言った方が正確だけど、
とにかく、私は、それを開いた。
これは、彼の、そして、私の人生。
それについての、『本』。
ここにあるということは、彼は、入院している時でさえ、書き続けていたのだ。
たくさんの管や、機械につながれながら、
ベッドの上に彼は、静かに横たわっていた。
昔、逆だったことがある。
この病室で、
私が、ベッドで、しーくんがイス。
とても嬉しかった記憶がある。
私は、イスに深く座り直した。
「おやすみ、しーくん」
そして、私は、読み始める。
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