いつか、その日を青春と呼ぶのだろう
幕間





正直、完全に忘れてしまっていたり、

まったく言った記憶のない日もある。




しかし、サンタの話。


これは、覚えていた。



このサンタの話のあと、彼は私に内緒でアルバイトを始める。

そして、1ヶ月後のクリスマスに、プレゼントをくれた。




私が、
「いい子じゃないけど、もらっていいの?」

と聞くと、

「かわ『いい子』だから」

って、言って、耳まで赤くなってた。







昨日のことのように思い出せるけど、かなり昔の話だ。




もう一度、手を伸ばそうかと思ったけれど、



気持ち良さそうに寝ているので、

やっぱり、やめといた。






・・・・・。



暗がりで本を読んでいたので、少し疲れてしまった。




イスに深く座り直して、窓の外を見る。





すっかり、変わってしまった景色。


しかし、私たちが歩いた道は、確かにそこにある。






いったい、どれくらい前なのだろう、


まだ、昨日のことのようにも思えてしまう。




私は、自分の中に残っていた『おとめ』の部分に少し笑ってしまった。




さすが、しーくんだ。


私は、いつだって、彼に恋をしていた。













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