いつか、その日を青春と呼ぶのだろう
本を強く強く抱きしめる。
これはしーくんの想いの結晶。
そう思うと、いとしくてたまらない。
私は、満足だ。
何も思い残してなんかない。
世界で一番幸せと、堂々と言える。
そう思わせてくれたのは全てしーくんだ。
私は、少しずつ体が消えていくのを感じた。
実体のない体が光の粒になって、透けていく。
さて、しーくんよりも先に、あの世に行ってますかね。
たぶん、向こうでしーくんに会ったら怒られるんだろうな。
『気をつけてって、言ったのに』って。
いつもは、謝れない私だけど、
その時ぐらいはちゃんと謝ろうかな。
で、許してもらって、
そこからたくさん愛し合おう。
いままでの分を全部返せるぐらい、
イヤっていうぐらい、
たくさん愛してやる!
しーくん、首を洗って待っててね。
私は、首を長くして待ってるよ。
あ、そうだ。
せっかくだから、1つぐらい叶えておこう。
しーくんは、こんな予定ではなかったとは思うけど。
私は、しーくんを起こさないように、
そっとキスをした。