華園のプリンセス
妖精
それから深い森の中へと歩き始めた。
わいわいと話をしながら歩いていた時奥の方に何かを見つけた。
「お姉ちゃん…あれ何?」
「え?」
私が指を指したほうを見ると…
「あれって、シルラじゃない?!お母さんがこいつに出会うと面倒って言ってた。耳がいいらしいわ。ここは気づかれないように逃げましょう」
方向転換して早足で逃げていたら…
バキッ。
「あ…」
私は近くにあった木の枝を思いっきり踏んでしまった。
その瞬間シルラはこっちを向く。
ギラリと光る赤い色の目……
私たちより数倍大きい体。
そんな化け物がこっちに向かって走ってくる。
「何やってるの?!早く逃げるわよ!!」
「お姉ちゃん……足が……足が動かないよ…!!」
「デンファレ!!!!!」
大きい体が私に襲い掛かる。
「きゃーーーーーーーっ?!?!?!?!?!」
バンッ
私が叫んだのと同時に森のどこからか大きな爆発音が鳴り響いた。
シルラはあまりにも大きい音に驚いたのか逃げて行った。