華園のプリンセス
「これまで沢山の人が私を訪ねてきたけれど皆逃げるように帰っていったわ…。けれど一人だけ私に立ち向かって来た人がいた。そしてこう言ったわ。
『私は妖精になりたい。手に入れた力で故郷を蘇らせる。それが私の夢だから』ってね。」
「その人って…」
「えぇ、ローズ様よ。まだ12歳になってまもなかったわ。」
「さすが私達のお母さんね。気合が違うわ」
「そうね…」
「でもこれだけは覚えておいてほしいわ。『己の思う道を行け』どんなに苦しいことがあってもきっと大事なものが見えてくる。だから最後まで諦めないで。」
「マーメイ……。私達にも夢があるの!だからその言葉忘れない」
マーメイの言葉が私の胸に強く刺さった。
「私達そろそろ行くね。マーメイありがとう。」
「ちょっと待って。3人に渡したいものがあるの。」
緑色のスープを持ってきて私達に渡した。
「この先どんな困難があろうとも、決して後ろを向いてはダメよ。迷った時は自分を信じるの。一番正しい答えを出すのは自分かも知れないわ。」
「うん。ありがとう」
私達はマーメイに別れを告げジュエリー探すために歩き出した。
あんな事件に巻き込まれることになるとは知らずに……。