華園のプリンセス
「デンファレは?」
「私は…」
下を向いて黙り込んだ私を見た二人は思いに気づいたかのように頷き合った。
「デンファレにもあるじゃない。大切なものが。」
「え…」
「私達にはないものよね。」
大切なもの……??
その時、脳内にサファイアの顔が浮かんだ。
そうだ……。
私は一番大切な事を忘れていた。
お母さんのようになるという自分に対するプレッシャーに押し潰されそうだった。
だけど。
私には誰よりも大切だと思える人がいる。
今も、私を待ってくれている人がいる。
こんなに大切な人の事を忘れていたなんて…
「私最低だ…………自分が妖精になることばかり考えてサファイアの事、全然考えていなかった。」
「デンファレの夢はこれから見つければいいじゃない。」
「夢がない人なんていないんだから。」
「姉様……」
「私にも見つけられるのかな。」
「うん!きっと。」
「そうだよね。これから見つければ良いんだよね!ありがとうお姉ちゃん達。」
今見つけた。
私の新しい夢。
まだ誰にも話さない。