華園のプリンセス
「サファイア昨日見送りの言葉かけてくれたよね?」
「あぁ、でもさすがに言葉だけじゃな…」
え……?
サファイアはポケットからジュエリーのついた指輪を取り出した。
これって…?!
その場にいた皆が今きっと同じ気持ちだ。
「今はまだ何も言わない。デンファレが妖精になって戻ってきたらちゃんと伝えるだから…」
私の薬指に指輪をはめてサファイアは、自分の小指を私の目の前に突き出した。
「約束してくれ…必ず帰ってくるって」
私も小指を絡ませた。
私達の約束の印…
「サファイア……私も伝えたいことがある。絶対に戻ってくるよ。修行はいつ終わるかも分からない…数ヶ月…もしかしたら数年後かもしれない。それでも待っててくれる?」
「当たり前だろ。」
「ありがとう」
「おとりこみ中のところゴメンなさい。私達のこと忘れてない?」
あ…。
「デンファレ良かったわね。」
「サファイアのためにも必ず帰ってこなくちゃね」
「うん。それじゃあ皆、私達そろそろ行くね」
『いってらっしゃーい!』
今この瞬間から私達の修行が始まるんだ。
必ずジュエリーを見つけてここに帰ってこよう。