タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
挨拶も無事に終わり、あっという間に放課後を迎えた。
外はまだ明るい。
遠くの空は黒い雲がみえて、そのうちここも荒れるのかなと思った。
「さて、帰りますか」
誰もいない教室にひとり呟く。
意外と疲れるもんだね。転入生って。
学級委員の下田さんに校内案内をしてもらったり(すごく危険だった)、他クラスから来た子たちを相手したり……いろいろ。
ここの学校に通っていた私には何もかも初めてじゃなかったからある意味退屈に思えた。
ちょっと気を抜くとヘマしそうだ。
……そういえば歩未の姿を一度も見なかったな。
会いたかったのにな。
たぶん、私関連だよね。休んでる理由。
歩未……。
明日来たら、様子みて話しかけてみよっかな。
拒否られても粘ってやるんだから。覚悟しといてよね。
気付くと今朝の暗い路地に着いていた。