タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
光とともに戻ってきた私は、行きに見た大きな扉を見上げた。
扉に触れる前に古びた音をさせながらゆっくり開く。
進んでいくとメルヘンチックな景色に戻って来たと安堵するも、鋭い声に全身が緊張で引き締まった。
ナニナニナニ!?
え……誰。すごく怖いんですけど!
お、男の人?まさか侵入者とか!?
ゼテルアさん呼ばなきゃ!
「ゼテルアさーん!!」
呼びながら声のする方へ歩いていく。
「オラアァ!待テエエ!」
地面まで揺れそうな声に肩をビクリとさせ小さく悲鳴を上げた。
青い扉の前に立ち止まる。
ここ、だよね?
ここからでもよく聞こえる中の音にまた肩を跳ねさせる。
ゼテルアさん居ないの!?なんでこういう時に居ないの!
怖い。
怖いけど
とにかく中の人を助けなきゃ。
握りこぶしを作った私は一歩一歩慎重に扉へ進んでいった。