タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

コトッとテーブルに置かれる物に目が惹かれる。


「これは?」

「クスリよ」


小さな瓶の中には水色の液体が入っている。それはとても透き通っていてキラキラしていた。



「これをねウタちゃんに飲ませようとしたのよ。そしたら逃げるわ物壊すわで……」


そう言ってウタくんを指さすと「ヒッ」と隣で声を上げた。


私の腕を小さな手で必死に掴もうとするから、私は落ち着かせるように背中をなでる。


「なんでこれをウタくんに?」

「あゆなん学校で言ったこと覚えてる?」


それって新たに聞かされた情報のことだよね。


そこで一つ気になったことを聞いたんだ。
私の、『佐來あゆな』の家族について。


心当たりのある記憶を思い返して頷いた。



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