タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
5.現実

夏の暑さが強まってきた今日このごろ。


転入してから1週間が経ってしまった。

未だに実行出来ていない。


というよりは、何をすればいいのか分からないんだ。


それに、歩未のことだって全然進歩していない。


ここに来て3日目に姿を見せた歩未はとても疲れているようにみえた。


目の下にはクマがうっすらあって、気力だって普段の歩未とは違っていた。



まず笑顔がない。


それが私のせいだと思うと悲しくなって、見ていられなかった。


ただ私はその悲しそうな背中を見ているだけの1週間を過ごしていた。


すごく勿体ないって帰る度にゼテルアさんに言われた。


そんなこと言われなくても分かってるんだけどさ。なぜか動けない。

気持ちだけが貫いているだけで、
なにも。


幸太郎のこともそうだけど、大切な親友の笑顔をなんとしてでも取り返さないといけないのに……。


と勝手に課題をもう一つ加えてる。


悶々と考えてまた一つ大きなため息をこぼした。



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