タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

人気の少ない教室へやって来た私と男子生徒。


初めましての彼に聞こえないよう小さく息を吐く。

どうせまた告白されるんでしょ……。


可愛い子の大変さをこの1週間でたくさん思い知らされたよ。


田中さんも私が困ってるって知ってるんだったら引き止めてくれればいいのに。


普通に見送られるんだもん。


それに、これから帰りのHRが始まるってのに……。
先生には適当に理由つけて言ってくれるみたいだけど。


見送った時のあの楽しんでいるような顔が気に食わん!


知らなかったよ。
田中さんがそんな人だなんて。


でも、なんか喜んでいる自分がいる。ヘンなの。



「さ、佐來さん!」


その声に見上げると緊張した顔持ちで私を見つめる男子生徒。


伝わりすぎて逆にこっちが緊張する。


未だにこのイベントに慣れない私。



でも告白ってこういうものなのだと気付けた1週間でもあったんだ。



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