タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
「なんで断るんだよ」
その声はとても低くて、ゾクッとさせた。
この人はなんだか危ない人なのかもしれない。
そう自分の中で大きく警鐘が鳴り響く。
ジリジリと近付いてくる男子生徒から私も一歩ずつ慎重に下がっていった。
「なんで、なんで……」
「っ。ちょっと、きみ……そんなフられたぐらいで、そんな、」
「そんなって言うんじゃねぇえ!!」
手首をいきなり掴まれ壁に押し付けられた。
背中に痛みを感じて小さく声をあげる。
両手首を拘束され、脚も固定されてて身動きが取れないでいる私は、ただ血走った目を見ることしかできなかった。
「オレはな、欲しいものはいくらでも手に入れてきたんだよ。飽きれば構わず捨ててきた」
うわ、最低野郎だなコイツ。
「告って振られることなんてオレには有り得ないことなんだよ!わかるか!?言ってる意味」
分かりたくもない人に渋々頷く。
そうしないともっと大変な目に遭うと思ったから。
だから大人しく従うことにした。
「じゃあ分かるよな?あんたがオレになんて言うか。ほら言えよっ!!」