タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

心臓がドクドクと脈を打つ。


ほんとこの人馬鹿なんじゃないの?

女をなんだと思ってるのよ。


ゼテルアさんもきっとカンカンだ、この言葉には。

あの時の男剥き出し状態になるんだろうか。


でも……、すごく見てみたいっ。



「なに笑ってんだよ!!」

「痛っ!」


手首にまた力が加わった。
今度は爪が食い込んでくる。


力の入れようにも程があるでしょ……っ。


私も私だ。
これじゃ挑発しているようなもんじゃん。


笑いたいのは山々なんだけど、頑張って乗り越えないと……。



「オマエさ、可愛い顔してるからって許してもらえるとでも思ってんの?」

「は?」

「オレのこと馬鹿にしすぎじゃね?」


そう言って今度は顎に手を置かれて上に持ち上げられる。


それでもまだ両手首は
拘束されたままだ。


脚だって間にこの人の片足が入ってるせいで身動きがとれない。




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