タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

もうそろそろ私も限界に近いかも。

睨みを利かすと男子生徒は鼻で笑って言った。



「なんか言えよ」

「……じゃあ言わせてもらいますけど。
私はアンタみたいな人とは付き合えない。大体女をなんだと思ってるの?
アンタこそ馬鹿にしすぎなんじゃない?
コッチは馬鹿馬鹿しくて笑いそうなんですけど?

……早くどいて」


言いたいことたくさんあったけど、言い切った。

ほとんど素で話しちゃったけど、今はこの子を演じている場合じゃないと判断した。


心臓が嫌な音を立てる。

この人は次何をしてくるのか、それしか今は頭に無くて。

正直怖い。怖い以外なにも考えられない。


色のない瞳で見てくるから私も負けじと睨んでやる。



「……いい度胸してるじゃん」

「は、はなしてよッ」

「あれ?怖いの?さっきの気力はどうした?」


男子生徒は笑い出す。

手にこもった力は緩むことなく、この距離も保ったまま、笑い転げそうな勢いで男子生徒は笑う。

なにコイツ。気持ち悪い。
そしてムカつく。全てがムカつく。ただムカつく。



「アンタなんか、きも……キャッ……──!」



< 118 / 277 >

この作品をシェア

pagetop