タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
「……もう、やだ……っ」
紙の至るところにシミが出来ていく。
辛いのは嫌だ。誰だってそうでしょ?
だって私が近くにいるのに、違う目で見てくるんだよ?
それに耐えられる?
私は耐えられなかった。
離れていく2人の背中をただ見つめるしかなかった。
倉村亜優奈だったら間に入って笑い合って同じ道を行くはずなのに。
いまの私にはなにも出来ない。
もう住む世界が違うんだもの。
「ゼテルアさんは私のことなんてちっとも分かってない!この辛さを、大切な人に見られる辛さをっ!」
掴まれてる手を離そうとするけどビクともしなくて、ただ叩くだけになる。
「辛くなるのは当たり前」
上から降ってきた言葉に動きを止めた。
あたりまえ?
よくそんなこと簡単に言えるね。
それ慰めのつもり?
私はキッと睨んだ。