タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

「え?」


そう声をあげたのは幸太郎だった。


しかも、私の顔をみて。


「松崎くん?どうかしたの?」


そう聞くと瞬きを2回させて、頭を掻いた。


ん?なんで頭かいてんの。困ったことでもあった?


幸太郎は困ることがあると頭を搔くことが多いんだよね。


「言ったよね……?」

「なにを?」

「『ダルすぎる』って。……あれ?俺の聞き間違い!?」


ツーっと背中に冷や汗をかいた。


ウソ。
声に出しちゃってた私!?


……幸太郎、それ私だよ。絶対。


だって、心でははっきり言ってたもん。


だからといって、肯定はせずに私は「何も言ってないよ?」とすました顔をして言った。



「そうだよな。佐來さんがそんなこと言うはずないもんな。耳馬鹿になったかな〜」


ははは、と笑う幸太郎に微笑み返した。



ごめん、幸太郎。
私がいる間だけ耳馬鹿になってて。


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