タイムリミットは君にサヨナラをするまで。


いつもの別れ道で、2人にさよならをしてケーキ屋さんを目指して今来た道を戻る。



すっっごく、緊張した。


もう心臓バクバクして呼吸も危うく止めるとこだったよ。


あの空間が大変だった。

何度心の中で祈ったことか。


あんなに帰りたいだなんてここ来て初めてじゃない?



もーーっ。もっとこの貴重な時間を大切に過ごしたかったのに!

新太のせいで緊張しっぱなしだったじゃん!



「はぁ」


疲れた。

表情筋がんばった。

顔全体が上に集まってることはないだろうか。


うん……心配はなさそうかな。


窓ガラスに映る私は〝佐來あゆな〟の可愛い顔のままだから。



< 150 / 277 >

この作品をシェア

pagetop