タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
いつもの別れ道で、2人にさよならをしてケーキ屋さんを目指して今来た道を戻る。
すっっごく、緊張した。
もう心臓バクバクして呼吸も危うく止めるとこだったよ。
あの空間が大変だった。
何度心の中で祈ったことか。
あんなに帰りたいだなんてここ来て初めてじゃない?
もーーっ。もっとこの貴重な時間を大切に過ごしたかったのに!
新太のせいで緊張しっぱなしだったじゃん!
「はぁ」
疲れた。
表情筋がんばった。
顔全体が上に集まってることはないだろうか。
うん……心配はなさそうかな。
窓ガラスに映る私は〝佐來あゆな〟の可愛い顔のままだから。